武士の戯言-Bushi no zaregoto- 進行中 忍者ブログ
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小説が進行中です。
でも、まだ半分くらいしか書けてません。
いわゆることの「遅筆」なのですよ。

二日にいっぺん書くか書かないか
というよりは、アイデアが出るかでないか。

天保時代より更更に古い中国の話を書いているので、
文献がなかなか無くて・・・。
一応「崑崙異聞」と名付けていますが、
もしかしたら変わるかもしれません。


話の二章目を特別に。

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「崑崙異聞」二章 将太始如終咫(将に始まりは永らくの終りに如し):準稿試公開





雷羽は全身に汗をかきながら、只管走っていた。足は裸足、衣は薄く汚れ、破れかかった仙衣一枚のみ。まだ、肌寒い季節だと言うのに、雷羽は仙衣の襟を大きく広げ、そこからは胸筋や腹筋が顔を出している。何度も褄突きながら、ただ“何か”から必死に逃げていた。
不図後ろを見ると、農業用の鎌、鍬、鋤を持って大声を張り上げながら雷羽を追いかける村人の姿が見える。
荒野に近い土地で、隠れるところも殆ど無い。何とか農民との距離は引き離してみたものの、逃れる術は無に等しい。疲労と意識が朦朧とする中で、どうなっているのかも解らない。気づかない内に、意識は途切れていた。
覚えている事は暗闇。何時間経っただろうか。雷羽はふと考えた、倒れた挙げ句に追い付かれて、あの鎌や鋤で殺されたんだろう、と。仙は長寿であって、不 死身ではない。故に、寿命は無く、一〇〇年でも一〇〇〇年でも生きられるが、普通の人間と同じように、殺されれば死んでしまう。仙というのは、傷の治りが 遅かったり、時間の感覚が無くなるという代償を得るくらいで、特別得な事など無い。雷羽には不老長寿など在っても無くても良かった。
だが、殺されるのは嫌だ。雷羽が暗闇の中で必死に手足をばたつかせた。自分の手足も見えない程の暗闇。だが、一つだけしていない事。瞼を開くと、当然のように天井が見えた。
助かったという安心感と、村人たちが追ってくる不安感。どちらを取るかなど、解らない。
「起きたか?」
視界に男が顔を覗かせた。まだぼうっと暮夜けている雷羽の頭から手拭いを取った。
「あんた、綺麗な目をしてんね。異国?胡人?」
「仙、じゃ。」
「仙人さまか。まあ、村人じゃない気は出てたけどね。」
一瞬、雷羽の体がびくっと反応した。
「はは、大丈夫だよ。別にあんたを恨んじゃないし、あっちの村人みてえに仙嫌いじゃないしさ。ここは安全。」
「私はどうしてここに居る。」



※執筆中の原稿ですので、修正が加えられた場合内容は変わります。
※この文章には著作権が存在しますので、盗作などは禁止させて頂きます。

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