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「因幡の素兎(The Bare Hare in Inaba)」
あるとき、オオナムチ(後のオオクニヌシ)とその兄弟たちは、
ヤガミヒメに結婚を申し込む為に因幡国へ向かってました。
「とっとと運べやゴルァ!!」
兄弟たちはオオナムチに荷物を押し付けて我先にと因幡へ歩いてました。
すると、
「どうしたんやチビ。」
兄弟たちは問いました。
「毛が無くて寒いんでつ。」
「だったら海水ザブリとぶっかけて山の上んとこで風にあたってりゃええよ、うん。」
と兄弟は言ったら、兎はその通りにしました。
しかし、実際にやってみるとあら大変。体中がバリバリになって痛くてしゃーない。
「騙されたぁぁぁぁーーー!!」
と泣きぐずっている兎の前にオオナムチが兄弟たちへの文句を言いながら通りかかりました。
「おい、どーしたん。何泣いとんの。」
オオナムチは兎に言いました。
「あっしゃ沖の島に住んどったんでつけど、こっちの岸に渡れんかったんでつ。
そいで和迩たちを騙して渡って来たんでつ。
あっしらの仲間と和迩たちの仲間はどっちが数が多いかを競わせて、沖の島からここまで和迩を並べさせたんでつ。
そしてその上を数えながら渡ってここまで来れたんでつけど、最後の一匹を渡る時に
『てめーらわしにだまされたんじゃ、ドアホ!』って言ってしまったんでつ。
そしたら和迩たちが大暴れしてあっしの毛を毟っちゃったんでつ!」
それを聞いたオオナムチは「こいつええ形してめっちゃ腹黒いやん。」とか思いつつ、
かわいそうなので解決策を教えてあげる事に。
「この川の河口行ってあんたの体を洗ったらええ。そんでもって蒲の花粉をまき散らしてそこでゴロゴロしときゃ治る。」
オオナムチのありがた〜いお心もあって、兎は復活。
元気百倍の兎はすぐにオオナムチの所に駆け寄って来て、
「あんたはいい人でつ。きっとヤガミー(知り合い?)はあんたを選ぶはずでつ。
あんたがそんな鈍臭そうでパシリですぐへばりそうな形をしてても、きっとあんたを選びまつ。」
少し苦笑いを浮かべたオオナムチは因幡国へ向かいましたとさ。
p.s.ちなみにヤガミーは兎の言う通り、オオナムチを選びました。
有名なお話をリメーク。
オオクニヌシがまだオオナムチという名前だった若かりし時の神話。
方言だとか言葉遣いだとかは無視無視v
まあ、この後もムキーっとなった兄弟たちにさんざん殺される羽目になるのですが、
それはもっと後の話。
世間には「因幡の白兎」というタイトルもありますが、
本当の題名は「因幡の素兎」なんですねぇ。
編修した人が「この"素"って"白い"って意味じゃね?」と思ったからだとか。
和迩に毛を毟られたんですから白い訳ないでしょ。
そもそも、この兎は日本原種の野兎だから白くない。
和迩(わに)というのは「鮫」のこと。(「鰐」って説もあるけど)
因幡国(いなばのくに)は鳥取県の東のほう、
※この話は一部内容を改変しています。
※筋はそのままですが、原作とは異なりますのでご注意を。
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